先週末見た映画の話

えーと、立川のシネマシティでアンコール上映があるってことで、先週の土曜日に塚本晋也監督の『野火』観てきました。
もともと去年話題になってたので気にはなってたんだけどそのときは特に観に行くことはなく、今回爆音上映でおなじみのシネマシティaスタジオで上映するって事でいい機会だと思って観に行くこと訳です。つまりは初見。
で、観た感想はというと、ほんと凄まじかった。もちろん楽しいエンタメ映画などとはこれっぽっちも思ってなかったのだけど、そこで描かれていたものは想像以上のエグさ残酷さで思わず目を背けたくなる光景でした。人間がその人間性を失っていく様が容赦なく描かれていて戦争ってものの恐ろしさをまざまざと見せつけられたという感じ。そこにはヒロイックな格好良さも爽快感も一切ない。それでいて実際のリアルな戦争はこの程度ではないのだと想像させてしまう恐ろしさ。
にもかかわらず、カメラワークというか編集というか演出の方は観客の快楽を誘うような感じでとにかく観ていて気持ちいいといってもいいくらいなのですよ。ぶっちゃけ自分は映像作家でも批評家でもないのでこの辺を上手く言語化できなくてもどかしいのだけど、映画で描かれている内容の苛烈さに対してその描き方というか映像の取り方はとにかく綺麗で、そのアンビバレンツな感覚がよりその苛烈さを強調している感じでした。
あと、シネマシティaスタジオにおいて特筆すべきは、別に極爆上映ではないにも関わらずどうも一部の爆撃シーン等の音響は爆音よりに調整してたっぽくてとにかく音が凄かった。凄かったんだけどマッドマックスやガルパンで体感したようなヒャッハーってな高揚感は一切なくてとにかく怖かった。いつもは楽しく浴びているaスタの爆音が牙をむく感覚、ほんと恐ろしいしaスタジオの底力を体感したよ。
そんな訳で、『野火』、ほんと圧倒されて打ちのめされて終わった後しばらく席を立つことができませんでした(まあ上映後に監督のトークショーがあったから席を立つ必要もなかったんだけどね!)。終戦記念日も近い夏の日にこの映画を観られた事はほんとによかった。
『野火』は来年も立川でやるような事をトークショーでシネマシティの人と約束があったので、その際は是非みんな観に行くといいよ!噂では口約束は約束のうちに入らないとかは言ってはいけないよ。


で、『野火』を観る前に時間があったからというかどうしても観たくなったから『劇場版アイカツスターズ!』も観てきたりもしたんだけどこれがもう個人的に大傑作でな!もうほんと凄いのなんのって。
元々『大スター宮いちごまつり』のテレビ放送観てて、久しぶりにいちごちゃんやあかりちゃんが見たいってなって『アイカツ!』の方目当てで観に行ったしそちらもオールスター勢揃いの超お祭り映画って感じで非常に面白かったんだけど(特にあれだけの大人数を上手いこと登場させたのはすごい)、アイスタの方がとんでもなくてな。

もう、ほんとゆめとローラが尊くて尊くて。

お互いの事を想い合ってるからこそ喧嘩が起こってそれから仲直りするという、あらすじだけ取り出すとなんてことない話かもしれないけどそこに至る描写が神懸かっていて「あ、今俺やばいものを見てる」という感じで圧倒されて打ちのめされてました。これを「友情」やあるいは「百合」という言葉で囲っていいものか、もっと別の何かじゃないかとか。
ほんとに気持ちの整理がつかないくらいゆめローラだし割と今でもゆめローラという感じ。
観終わったあとあまりに頭の中がゆめローラな状態になってしまってでこんな気持ちで『野火』観れんの観ていいのって半ば本気で自問しましたもん(実際は冒頭で書いたように気持ちは割とすんなり切り替えられた)。

というわけで日に二度も映画見て圧倒されて打ちのめされるという体験をしたという話でした。圧倒されるベクトルがほぼ真逆だけども。