かるた1巻

かるた 1 (少年チャンピオン・コミックス)
格ゲーチャンピオンの軽部太一は、不注意からかるた同好会の唯一の部員である小野千歳の腕を怪我させてしまう。その為千歳は大会への出場ができなくなってしまい同好会の存続も危ぶまれてしまう。責任を感じた太一はかるた同好会への入部を希望するが……という感じで始まる週刊少年チャンピオンで大好評連載中な高校かるた漫画の1巻が遂に発売!


この漫画、競技かるたという一見地味でマイナーなものを題材にしていて派手さはないけどその分新鮮でじわりとくる熱さがあります。最初かるたを見くびっていた太一が怪我をした千歳と対戦し、一方的にやられる中で素人なりに攻略法を探り一矢報いようとする様とか、OGの先輩にコケにされたまま指導なんて受けられるかと一人特訓して再戦しようとしたりとそのノリはまさにスポーツ漫画。で、そういったことを通して太一はかるたの魅力にどっぷりとはまっていくわけです。
特に圧巻なのは1巻のラストにあたる太一対蛭田戦。蛭田という男は雑誌のモデルをやってたりしてかるたに賭けてる人たちを鼻で笑うようなスカした奴だが実力は高い男。太一はそんなスカした態度が気に入らずまた他にも理由があって蛭田を敵視する。そしていざ対戦となると蛭田は卑怯な手を使って太一を攻撃する訳だけど、普通ならここで太一の怒りが爆発でてめぇなんざ最低だという展開になりそうな感じなんだけど、そうはならずそういう手段をとるって事は勝利への執念があるって事だからと相手の事を挑発気味に肯定して勝負を続けるという展開になったのがほんと熱い。その後の両者ボロボロになりながらの決戦とか、これほんとにかるた勝負か?いや、かるたってこんなに熱くて面白い競技なんだ!と思えてくるのが読んでて震えがきます。


んでもってこの漫画のもう一つの特徴が競技かるたというのが男女混合なので主人公がハーレム状態に置かれているって事があるわけです。かるた同好会部長で全国でも屈指の実力を持ちちょっときつめの性格であるけど実際は寂しがり屋で素直になれない小野千歳や主人公の幼なじみでバカだけど明るくて脅威の瞬間記憶力を持つ大江由利子に地味なエロスを醸し出す顧問の宮原先生、そして背が低い関西弁のOG壬生蘭と、太一はこんだけの魅力的な女の子がいたりしてなんというか羨ましい。もっとも太一は一度ハマるとそれに全力集中するタイプらしく、こんな状態でもごく普通にかるたに熱中して色恋沙汰というかちょっとした邪な心が入る隙がないほどストイックだったりするわけだけど。どっちかというと、だんだん太一に対する評価が上がっていく千歳の態度とかが可愛いかったりするんだな、これが。これから太一とそれを取り巻く人たちの人間関係がどうなっていくのかも気になるところ。


あと、この漫画読むと無性に百人一首がやりたくなってしまうなあ。まあ、遊ぶ前にまずは覚えなきゃいけないわけだけど。白状すると百人一首って殆ど知らないんだよなあ……恥ずかしいことに。