舞-乙HiME嵐


遂に、漫画版舞-乙HiMEの後日談なお話の舞-乙HiME嵐のコミックスが発売!!
女の園、ガルデローベがナギの弟(?)アラシに買収されちゃってさあ大変な舞-乙HiME嵐本編と、チャンピオンRED誌上に掲載され多くの読者のぞうさんをマテリアライズさせた番外編SUPER Hの完全版と、ついでにSUPER H2が収録された豪華仕様となっております。
って、SUPER Hは確かREDの付録に付いたときに単行本収録予定なしとか書かれてたような気がするんだけど……。まあ、その内どこかで収録されるとは思っていたから別に構わないんだけど、大人ってずるいや、とかちょっと思わないでもなかったり。


それはさておき、改めて嵐を読んでみると、すでに2話の時点で、マリーとよーちゃんに関する伏線はきちんと貼られていたのね、と驚いたり。最初読んでた時は、単にでぼちんが忙しいだけって言う話かと思ってたよ。それはさすがに自分でも注意力なさ過ぎだと思うけど。あと、12.5話であるSUPER Hが同時収録されているので余計に感じることだけど、マシロくん、やっぱり凛々しく成長しているなあと思った。普段の顔つきも前は女性的だったのに今は男性よりの中性的な顔立ちになっていて可愛いよりも美しいという形容が似合うようになっててちょっと寂しいような、でも何か嬉しい感じ。


マシロくんに関する思い入れって、自分の中で凄くあって、それって何でだろうとちょっと考えてみた。一つは女の子ばかりのハーレム状態の中女装して、しかもそれがやたらかわいいという倒錯的な部分がクリティカルヒットしたっていう部分があるんだけど、それだけじゃなくて、マシロくんが少年漫画の主人公として極めて真っ当に成長していったっていうのが、強い思い入れを起こさせたんだなあと思い至った。好きな漫画だけに。最初はぱっとしない主人公が仲間と出会い、時には傷ついて成長していく、ベタと言えばベタだけどそれがぴたりとハマるとかけがえのないものに思えてくる。自分を主人公に投影させるというよりは親の目線で主人公を見ちゃう感じで。だから、マシロくんに対する自分の思い入れも親のような気持ちなんじゃないかなあ、と。まあ、子供持ったことないので、あくまで想像だけど。


この舞-乙HiME嵐のコミックスを読み終えて、一抹の寂寥感を覚えてしまったのだけど、その理由にはマシロくん達の物語をこれ以上読めないっていう寂しさと、マシロくんが凛々しく成長して独り立ちして読者の元を羽ばたいていこうとしている事に対する寂しさもあるのかもなあ。もっとも、最終話を見る限りもうしばらくはドタバタが続きそうな感じはするので、その点は安心かも。
と、ここまで書いてて思った。前にチャンピオン連載時に書いた感想で、マシロくんのパートナーを一人にきちんと決めて決着つけて欲しかったなあとか書いた事があるけど、実際誰かに絞ってたら、泣いてたかも俺。物語としてはその方が綺麗だとは今でも思うけど、そうしたら心にぽっかり穴が空いて結構ダメージ負ってたかも。自分の娘を嫁に出すような感じで。現実においてはその寂しさは正しいし乗り越えなければならないものだけど、何もフィクションにまでそういうものを求めなくてもいつまでも続いてそうなドタバタで終わってもいいんじゃなかなあ、とかたった数ヶ月で考えが変わる自分に吃驚だ(笑)。


そんなわけで、これにて漫画版舞-乙HiMEは完結な訳で、やっぱりそこはちょっと残念ではあるけど、きちんと完結できてこうして後日談も描かれたってことはやっぱりこの上なく幸せな事だと思う。ほんと、舞-乙HiMEはいい漫画だったしマシロくんはいいキャラクターだ。