ペダルとバチバチが面白すぎ

今週のチャンピオンの話なんですが。

山岳ステージが遂に始まると言うのに、まさかの坂道、後続に巻き込まれ落車という衝撃展開の弱虫ペダル

最初この展開になったときに思ったのは、巻島先輩と坂道、二人が万全の状態で山を引っ張り、箱学やその他ライバル達と競い合うという状況にならなくて少し残念に思ったのだけど、今週読むとこれも漫画的大いにありだなあとか感じたわけですよ。

最下位になりながらも目は死んでない坂道がそれでもあえて自分が追いつけるかどうかをサポートの手嶋先輩に尋ねる。気持ちは死んでなくても、おそらく経験が圧倒的に少ない坂道にとって、現実的に追いつくことが可能かどうか分からなかったし不安だったのだろうと思う。
で、そんな坂道に手嶋先輩が言った台詞が心にきたわけですよ、ほんとに。

「大丈夫だ」とかテキトウなことは言わねェ
だから
おめーなら出来るよ…
登りで100人抜け!!
そしたら必ず追いつく!!

このシンプルかつ力強い台詞、共に競って認め合った間柄だからこそ言えるし心に響く訳です。こっから坂道は、100人抜きを目標に先を走る総北メンバーに追いつこうという展開になりました。

坂道が先頭集団に追いつく為に100人抜くという数値的目標が現れた事で、坂道自身に具体的なモチベーションを上げるための目標が出来たのと同時に、読者的にも分かりやすい展開になったと思うのです。

まあ、モブの人が言っている様に実際インターハイ予選を勝ち抜いてきた選手達を相手に100人抜きなんて実行しちゃったら坂道ドンだけ凄いんだよという気もしないではないけど、手嶋先輩の台詞やヒメッ、ヒメッと叫び歌いながらペダルを漕ぐ今週最後のコマの坂道の姿を見ると、そういう展開でもいいよ、むしろ見てぇと思わせるだけのパワーがあるんだわ。


一方のバチバチは、壮絶な激闘の末遂に鯉太郎が王虎に勝利。

で、個人的にこの鯉太郎と王虎の取り組みで気になっていたのが鯉太郎が勝つかどうかではなく王虎がこの取り組みによってどういう方向に進むかって所だったわけです。

王虎は、鯉太郎の父親、火竜と因縁のある虎城親方の息子で登場当初から、同部屋の力士にひどい扱いをしたり、鯉太郎を利用して過剰にマスコミ受けを狙ったりとか、かなり嫌な奴として描かれていました。

で、最初はただの親父の威を借りたとっつあん坊やかと思っていたのだけど、どうやら才能も実力も一級品で現状鯉太郎よりも強さは上、おまけにルックスも良いという、お前変にマスコミ受けとか狙ってわざと大けがした振りとかしなくても普通にやればいいじゃねぇかというキャラであることが明らかになりました。

王虎がそういう奴だと分かったとき、ここでそのまませこい策略キャラになってしまうのはもったいないと思ったのですよ。せっかく才能も実力もあって、おそらくそれに見合うだけの努力もこなしているというのに。

なので、今週王虎は負けてくれて良かったな、と。
ここで、実力が下だと思っていた鯉太郎に仕切り直しの末、叩きのめされた、この事が王虎の持っていた安いプライドとか自尊心を根こそぎ砕いたのだろう。で、今週の展開読む限り王虎がたぶんこれまで以上の猛稽古をして怪物になるって事なんだろうから、純粋に強いライバルとして鯉太郎の前に再び立ちふさがってくれそうで何よりです。

これで王虎がこれまで以上にせこい小細工を使い鯉太郎を苦しめる展開になったらビックリだが、たぶんこの漫画から伝わってくる相撲への熱さを見る限りそうはならないでしょ。


Yes,we can!!!!